ライブラリ -専門医の症例から学ぶ泌尿器科疾患 女性編-

紹介内容には、解説者の知識、経験、方針に基づく私見が含まれている場合があります。薬剤の使用にあたっては、各薬剤の最新の電子添文をご参照ください。
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排尿困難をきたす疾患

NTT東日本札幌病院 泌尿器科 柴森 康介 先生
排尿困難をきたす疾患は様々ですが、男性では前立腺肥大症、女性では神経因性膀胱/ 低活動膀胱によることが多いと思います。しかし、UFMや残尿測定のみを行い、上記と診断してα1blockerを開始してよいのでしょうか? 致死的な経過を辿る疾患でも排尿困難をきたす可能性があり、鑑別疾患を念頭において診療する必要があります。
(2025.09掲載 監修:舛森 直哉 先生)
排尿時痛と頻尿をきたす疾患

慶應義塾大学病院 泌尿器科 松本 一宏 先生
排尿時痛と頻尿を主訴とする女性の疾患で真っ先に思い浮かぶものは、単純性膀胱炎である。その他、肉眼的血尿などの典型的な症状とあわせて、尿中白血球(膿尿)を確認することにより、容易に診断可能である。今回は排尿時痛を主訴とする女性であるが、尿路感染以外の疾患であった症例を提示する。
(2025.08掲載 監修:大家 基嗣 先生)
排尿困難をきたす疾患

札幌医科大学 医学部 泌尿器科学講座 京田 有樹 先生
女性で排尿困難を主訴に来院する患者を時折経験します。男性では前立腺肥大症による排尿困難の可能性を第一に考え検査を行いますが女性ではどうでしょうか?
(2025.07掲載 監修:舛森 直哉 先生)
排尿困難をきたす疾患

岡山大学病院 泌尿器科 岩田 健宏 先生
泌尿器科医にとって、排尿困難はありふれた病態である。そのため、思い込みで対応してしまうこともあり、常に鑑別診断を念頭に置いておくことは重要である。高齢女性の排尿困難を診察したとき、神経因性膀胱をまずは思い浮かべる。その他に骨盤臓器脱による器質的な排尿困難も鑑別に置いておく必要がある。
(2025.05掲載 監修:荒木 元朗 先生)
血尿をきたす疾患

弘前大学医学部附属病院 泌尿器科 小玉 寛健 先生
血尿には、肉眼的に尿が鮮紅色~暗赤褐色を呈し、尿1L中に血液1mL以上含む「肉眼的血尿」と、肉眼では血尿を認めないが、尿沈渣で尿中赤血球5個/HPF以上の「顕微鏡学的血尿」がある。泌尿器科で診療する肉眼的血尿の主な疾患として、悪性腫瘍、尿路結石症、腎動静脈奇形、尿路感染症、特発性腎出血、間質性膀胱炎、運動による血尿などがある。
(2025.04掲載 監修:畠山 真吾 先生)
監修のコメント
本邦では高齢化が進む中、下部尿路機能障害や尿路性器悪性腫瘍などの泌尿器科疾患の患者数のさらなる増加が予想されます。 下部尿路や骨盤底の構造と機能には性差があることから、男女それぞれで特徴的な病態・症候を呈することが少なくありません。 診療技能のスキルアップには、実際に数多くの症例を経験することが重要ですが、他の先生が経験された症例から学ぶことも多いと思われます。
本コンテンツでは、札幌医科大学の先生方にご協力いただき、泌尿器科での診療においてよく遭遇する(泌尿器科専門研修プログラムにも取り上げられている)各種症状・徴候を伴う女性症例を提示いただきます。 診断する上でのポイントをよりイメージいただけるよう、提示症例については、画像や検査所見などをお示しいただき、鑑別が必要な疾患やその診断のプロセス、治療法の解説、最後に担当した先生の実践的なコメントを記載いただいております。
本コンテンツの内容が若手の泌尿器科専門医ならびに泌尿器科非専門医の先生方の日常診療の参考となり、ひいては患者さんの利益につながれば幸いです。