-薬効薬理-
ペンタサ®は病変部位での局所作用により炎症を抑えます。
作用機序
1. 活性酸素消去作用
マクロファージや好中球などの炎症性細胞から放出される過酸化水素や次亜塩素酸イオンなどの活性酸素を消去し、炎症の進展と組織の障害を抑制すると考えられます。
2. ロイコトリエンB4(LTB4)生合成抑制作用
LTB4の生合成抑制作用を介して、炎症性細胞の組織への浸潤を抑制すると考えられます。
<その他の作用メカニズム>
- 1)肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制作用
- 2)血小板活性化因子(PAF)の生合成抑制作用
- 3)インターロイキン-1β(IL-1β)の抑制作用

メサラジン原薬をそのまま経口投与すると、小腸上部で吸収代謝され、効果を発揮しません。一方、局所投与(注腸)したとき効果的であることが示されています。
放出調節製剤のペンタサ®は、小腸上部での吸収を抑え、腸管全域で有効成分のメサラジンを放出することにより、病変の局所で作用すると考えられています1)〜3)。
非臨床試験
1. 活性酸素消去作用4)

2. ロイコトリエンB4(LTB4)生合成抑制作用4)(in vitro)

3. 酢酸誘発潰瘍性大腸炎モデル(ラット)5)
酢酸誘発モデル(ラット)に対し、メサラジン2.08、4.17、8.33mg/mLの懸濁液を3mL/kg
1日2回5日間経直腸投与しました。
その結果すべての濃度で有意な障害の抑制効果が認められました。

4. TNBS誘発大腸炎モデル(ラット)6)
TNBS誘発モデル(ラット)に対し、メサラジン2.08、4.17、8.33mg/mLの懸濁液を3mL/kg
1日2回6日間経直腸投与しました。
その結果、8.33mg/mL投与群において有意な障害の抑制効果が認められました。

- 1)国内第Ⅰ相反復投与試験(用法・用量追加時:社内資料)
- 2)Nielsen O.H. et al.:Br J Clin Pharmac 1983;16:738-740
- 3)Ireland A. et al.:Clinical Science 1990;78:119-125
- 4)中丸幸一 他:日本薬理学雑誌 1994;104:447-457
- 5)小島僚太郎 他:日薬理誌 2001;118:123-130
- 6)大脇達也 他:社内資料
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