-薬効薬理-

ペンタサ注腸1gは病変部位での局所作用により炎症を抑えます。

作用機序

メサラジンの主な作用機序として、活性酸素消去作用1)、ロイコトリエンB4(LTB4)生合成抑制作用1)、ホスホリパーゼD活性化作用2)、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPAR-γ)活性化作用3)、核内因子κB(NF-κB)活性化抑制作用4)、肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制作用5)、血小板活性化因子(PAF)生合成抑制作用6)、インターロイキン-1β(IL-1β)産生抑制作用7)が考えられています。

図:メサラジンの作用メカニズム

非臨床試験

1. 活性酸素消去作用(in vitro2)
図:過酸化水素消去作用(in vitro)次亜塩素酸イオン消去作用(in vitro)
2. ロイコトリエンB4(LTB4)生合成抑制作用(in vitro2)
図:ラット好中球におけるLTB4生合成抑制作用(in vitro)
その他の作用

①ホスホリパーゼD 活性化作用
マウス腹膜マクロファージにおいてメサラジン20mmol/L 以上の添加によりホスホリパーゼD 活性が上昇した2)
②ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPAR-γ)活性化作用
ヒト結腸がん由来HT-29 細胞においてメサラジン30mmol/L の添加によりPPAR-γmRNA 発現及びPPAR-γタンパク産生が増加した3)
③核内因子κB(NF-κB)活性化抑制作用
マウス大腸上皮由来YAMC 細胞においてメサラジン20mmol/L 以上の添加によりTNF-α刺激によるIκB の分解の抑制及びTNF-α刺激によるNF-κB の核内移行を抑制した4)
④肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制作用
ヒト結腸の肥満細胞において抗免疫グロブリンE(抗IgE)の刺激によるヒスタミン遊離を抑制した(IC50:500μM)5)
⑤血小板活性化因子(PAF)生合成抑制作用
潰瘍性大腸炎患者の直腸粘膜を用いた実験系においてメサラジン50μg/mL(326μM)以上の添加によりPAF の生合成を抑制した6)
⑥インターロイキン-1β(IL-1β)産生抑制作用
ヒト大腸生検組織で産生されるIL-1βに対し、メサラジン25μg/mL(163.2μM)から抑制を示した7)

3. 動物モデルに対する障害抑制効果
●酢酸誘発潰瘍性大腸炎モデル(ラット)8)

ラットの酢酸誘発潰瘍性大腸炎モデルにおいてメサラジン6.25、12.5、25.0mg/kgの懸濁液(薬液濃度2.08mg/mL、4.17mg/mL、8.33mg/mL)を3mL/kg 1日2回5日間経直腸投与したところ、6.25mg/kgから有意な潰瘍面積の抑制効果が認められました(p<0.01、Dunnettの検定)。

図:酢酸誘発潰瘍性大腸炎モデルに対するメサラジン経直腸投与による潰瘍面積の抑制効果
●TNBS誘発大腸炎モデル(ラット)9)

ラットのTNBS(トリニトロベンゼンスルホン酸)誘発大腸炎モデルにおいてメサラジン6.25、12.5、25.0mg/kgの懸濁液(薬液濃度 2.08mg/mL、4.17mg/mL、8.33mg/mL)を3mL/kg 1日2回6日間経直腸投与したところ、25.0mg/kgで有意な障害抑制効果が認められました(p<0.05、Dunnettの検定)。

グラフ:TNBS誘発大腸炎モデルに対するメサラジン経直腸投与による障害の抑制効果

  1. 1)中丸幸一, 他. :日本薬理学雑誌.1994;104:447-457
  2. 2)Gómez-Muñoz, A. et al. :Biochim. Biophys. Acta. 2001;1533(2):110-118 (PMID: 11566448)
  3. 3)Rousseaux, C. et al. :J. Exp. Med. 2005;201(8):1205-1215
  4. 4)Kaiser, G. C. et al. :Gastroenterology. 1999;116(3):602-609
  5. 5)Fox, C. C. et al. : Dig . Dis. Sci. 1991 ; 36 (2) : 179-184 
  6. 6)Eliakim, R. et al. : Gastroenterology. 1988 ; 95 : 1167-1172
  7. 7)Mahida, Y. R. et al. : Gut. 1991; 32 : 50-54
  8. 8) 小島僚太郎,他,日本薬理学雑誌,2001; 118: 123-130
  9. 9) 社内資料:動物モデルにおけるメサラジンの障害抑制効果(2002年10月8日承認、申請資料概要ホ-1.(1))

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