-製品・患者指導情報-

日本標準商品分類番号:876241

医薬品リスク管理計画対象品

ラスビック錠の製品基本情報-Product information-

2.禁忌(次の患者には投与しないこと)

2.1
本剤の成分又は他のキノロン系抗菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2
妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
2.3
小児等[9.7参照]

3. 組成・性状

3.1 組成

有効成分 1錠中
ラスクフロキサシン塩酸塩81.23mg
(ラスクフロキサシンとして75mg)
添加剤 アルギン酸、クエン酸二水素ナトリウム、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール400、黄色三二酸化鉄、カルナウバロウ

3.2 製剤の性状

剤形 フィルムコーティング錠
色調 淡黄色
外形
ラスビック
直径:7.8mm 厚さ:3.8mm 質量:約196mg

4.効能又は効果

〈適応菌種〉

本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、クレブシエラ属、エンテロバクター属、インフルエンザ菌、レジオネラ・ニューモフィラ、プレボテラ属、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)

〈適応症〉

咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、中耳炎、副鼻腔炎

5.効能又は効果に関連する注意

〈咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、副鼻腔炎〉

「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

6.用法及び用量

通常、成人には、ラスクフロキサシンとして1回75mgを1日1回経口投与する。

8.重要な基本的注意

8.1
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2
大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うとともに、腹部、胸部又は背部に痛み等の症状があらわれた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。[9.1.4、11.1.13参照]

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1
合併症・既往歴等のある患者
9.1.1
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者
痙攣を起こすおそれがある。[11.1.10参照]
9.1.2
重篤な心疾患(不整脈、虚血性心疾患等)のある患者
QT延長を起こすおそれがある。[11.1.4参照]
9.1.3
重症筋無力症の患者
症状を悪化させるおそれがある。[11.1.12参照]
9.1.4
大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくはリスク因子(マルファン症候群等)を有する患者
必要に応じて画像検査の実施を考慮すること。海外の疫学研究において、フルオロキノロン系抗菌剤投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告がある。[8.2、11.1.13参照]
9.3
肝機能障害患者
9.3.1
中等度以上の肝機能障害のある患者
血漿中濃度上昇のおそれがある。[16.6.2参照]
9.5
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されており、器官形成期に本剤を経口投与した群の胎児に発育遅延及び骨格異常(肋骨の短小)が認められている。[2.2参照]
9.6
授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7
小児等
投与しないこと。動物実験(若齢イヌ)で関節軟骨障害が認められている。[2.3参照]
9.8
高齢者
9.8.1
腱障害があらわれやすいとの報告がある。[11.1.7参照]
9.8.2
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。本剤の臨床試験成績では、高齢者(65~88歳)において認められた副作用の種類及びその発現率は、非高齢者(16~64歳)と同様であった。

10.相互作用

ラスクフロキサシンはCYP3A4の基質である。[16.4、16.7.1参照]

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛を含有する製剤
制酸剤
ミネラル入りビタミン剤等
[16.7.2参照]
本剤の効果が減弱されるおそれがあるので、本剤と同時に服用させないこと。 これらの金属イオンを含む薬剤と難溶性のキレートを形成し、本剤の吸収が阻害されると考えられている。
フェニル酢酸系、プロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤
フルルビプロフェン等
痙攣を起こすおそれがある。
症状が認められた場合、両剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
中枢神経におけるGABAA受容体への結合阻害が増強されると考えられている。
リファンピシン
フェニトイン
カルバマゼピン
本剤の作用が減弱する可能性がある。 CYP3A4を誘導する薬物と併用することにより
本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
テオフィリン
アミノフィリン水和物
[16.7.2参照]
テオフィリンの作用を増強させるおそれがあるので、併用する場合にはテオフィリンを減量するなど適切な処置を行うこと。 機序は不明であるが、本剤との併用によりテオフィリンの血中濃度が上昇する。
クラスⅠA抗不整脈薬
キニジン、プロカインアミド等
クラスⅢ抗不整脈薬
アミオダロン、ソタロール等
QT延長を起こすおそれがある。 併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある。
副腎皮質ホルモン剤(経口剤及び注射剤)
プレドニゾロン
ヒドロコルチゾン等
腱障害のリスクが増大するとの報告がある。これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること。 機序不明。

11.副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1
重大な副作用
11.1.1
ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
呼吸困難、血圧低下、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2
白血球減少症(0.2%)
11.1.3
間質性肺炎(0.2%)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.4
QT延長、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)(いずれも頻度不明)
[9.1.2参照]
11.1.5
低血糖(頻度不明)
11.1.6
偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明)
腹痛、頻回の下痢等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.7
アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害(頻度不明)
腱周辺の痛み、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.8.1参照]
11.1.8
肝機能障害(頻度不明)
肝機能障害(AST上昇、ALT上昇等)があらわれるおそれがある。
11.1.9
横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれるおそれがある。
11.1.10
痙攣(頻度不明)
[9.1.1参照]
11.1.11
錯乱、せん妄等の精神症状(頻度不明)
11.1.12
重症筋無力症の悪化(頻度不明)
[9.1.3参照]
11.1.13
大動脈瘤、大動脈解離(いずれも頻度不明)
[8.2、9.1.4参照]

11.2 その他の副作用

0.5~2%未満 0.5%未満
消化器 下痢 悪心
血液 好酸球数増加、白血球数減少
皮膚 そう痒症、発疹
肝臓 ALT上昇、γ-GTP上昇 AST上昇
その他 頭痛、血中インスリン増加、尿中蛋白陽性

14.適用上の注意

14.1
薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシー卜から取り出して服用するよう指導すること。PTPシー卜の誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜ヘ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

21.承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

22.包装

50錠[10錠(PTP)×5]

ラスビック錠の医療用医薬品情報(電子添文・RMP等)

ラスビック錠の特性-Characteristic-

01POINT

呼吸器・耳鼻咽喉科感染症をターゲットとするニューキノロン系経口抗菌剤です。

02POINT

用法及び用量は、1日1回1錠75mgです。

03POINT

呼吸器・耳鼻咽喉科感染症に対し、臨床効果は84.8~92.9%、微生物学的効果は92.9~100%を示しました。

04POINT

グラム陽性菌、嫌気性菌を含む呼吸器・耳鼻咽喉科感染症の適応菌種に対する抗菌力(MIC90)は 0.015~2μg/mLでした(in vitro)。

05POINT

肺組織への移行性は、対血漿中濃度比15.0~56.4倍でした。

06POINT

国内で実施された臨床試験において、531例中62例(11.7%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められました。

重大な副作用は、ショック、アナフィラキシー(頻度不明)、白血球減少症(0.2%)、間質性肺炎(0.2%)、QT延長、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)(頻度不明)、低血糖(頻度不明)、偽膜性大腸炎(頻度不明)、アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害(頻度不明)、肝機能障害(頻度不明)、横紋筋融解症(頻度不明)、痙攣(頻度不明)、錯乱、せん妄等の精神症状(頻度不明)、重症筋無力症の悪化(頻度不明)、大動脈瘤、大動脈解離(頻度不明)が報告されています。
主な副作用は、下痢、好酸球数増加各7例(1.3%)、ALT上昇5例(0.9%)でした。(承認時)
詳細は電子添文の副作用及び臨床成績の安全性の結果をご参照ください。

※:〈適応菌種〉
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、クレブシエラ属、エンテロバクター属、インフルエンザ菌、レジオネラ・ニューモフィラ、プレボテラ属、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)

〈適応症〉
咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、中耳炎、副鼻腔炎