-薬物動態-
血中濃度1)、2)
日本人健康成人男性6例にジムソ®膀胱内注入液50%50mLを単回膀胱内投与したときの血漿中ジメチルスルホキシド濃度は、6例中5例において定量下限(19.6μg/mL)未満であった。定量下限を超えた1例の血漿中に検出されたジメチルスルホキシドは投与後15分にCmaxに達し、その値は72.1μg/mLであった。膀胱から全身循環に移行したジメチルスルホキシドは、5.46時間のt1/2で消失し、投与後4時間まで検出されたが、8時間以降は定量下限(19.6μg/mL)未満であった。
- 対象:
- 日本人健康成人男性6例
- 方法:
- 局所麻酔剤前処置後、尿道カテーテルからジムソ®膀胱内注入液50%50mLを膀胱内に注入し、15分間膀胱内に保持させた後、膀胱内の液体をカテーテルにより除去し回収した。血漿中ジメチルスルホキシド濃度は、投与前、投与後15、30分、1、2、4、8、12、24、36及び48時間の採血ポイントで測定した。
吸収1)、2)
日本人健康成人男性6例にジムソ®膀胱内注入液50%50mLを単回膀胱内投与した後に膀胱から回収した投与残液には、投与液中に含まれるジメチルスルホキシドの83.7%(6例の平均値)が存在しており、16.3%が膀胱から体内へ吸収されたと考えられた。
- 対象:
- 日本人健康成人男性6例
- 方法:
- 局所麻酔剤前処置後、尿道カテーテルからジムソ®膀胱内注入液50%50mLを膀胱内に注入し、15分間膀胱内に保持させた後、膀胱内の液体をカテーテルにより除去し回収した。血漿中ジメチルスルホキシド濃度は、投与前、投与後15、30分、1、2、4、8、12、24、36及び48時間の採血ポイントで測定した。
分布3)、4)(in vitro)
ヒト血漿を用いてタンパク結合を検討した結果、ジメチルスルホキシドのヒト血漿タンパク結合率は30%であった。
- 方法:
- 35S-ジメチルスルホキシドを用いてヒト血漿のin vitroタンパク結合を平衡透析法で測定した。
代謝5)、6)(外国人データ)
外国人末梢血幹細胞移植患者10例に10%ジメチルスルホキシドを253~824mmol (19.8~64.4g/body)を静脈内持続投与したときのヒトの血漿及び尿中には、ジメチルスルホン及びジメチルスルフィドが存在した。
- 対象:
- 外国人末梢血幹細胞移植患者10例
- 方法:
- 10%ジメチルスルホキシド253~824mmol(19.8~64.4g/body)を静脈内持続投与した。血漿中ジメチルスルホキシド濃度は、投与前、投与後5、10、15、30分、1、2、4、6、8、12、24、30及び48時間の採血ポイントで測定した。また、10%ジメチルスルホキシド投与後の尿中ジメチルスルホキシド濃度は、投与後24時間蓄尿し測定した。
排泄1)、7)、8)(外国人データを含む)
日本人健康成人男性6例にジムソ®膀胱内注入液50%50mLを単回膀胱内投与後15分に膀胱から回収された回収液には、ジメチルスルホキシド83.7%が含まれていた1)。
外国人健康男性1例にジメチルスルホキシドを0.5g/kg/日14日間反復経口投与したときのジメチルスルホキシド及びジメチルスルホンの24日目までの累積尿中排泄率は53.7%及び17.2%であった7)。
外国人健康男性1例に50% 35S-ジメチルスルホキシドを2.0g/body単回静脈内投与後の35S-ジメチルスルホキシドは、投与後8日までに約80%が尿中へ排泄された8)。
本剤は投与後15分間膀胱内に保持させた後、自然排泄若しくは投与部位である膀胱から回収されることで大部分が排泄された。体内へ吸収されたジメチルスルホキシドは主に尿中へ排泄されると考えられた。
- 対象:
- 日本人健康成人男性6例
- 方法:
- 局所麻酔剤前処置後、尿道カテーテルからジムソ®膀胱内注入液50%50mLを膀胱内に注入し、15分間膀胱内に保持させた後、膀胱内の液体をカテーテルより除去し回収した。血漿中ジメチルスルホキシド濃度は、投与前、投与後15、30分、1、2、4、8、12、24、36及び48時間の採血ポイントで測定した1)。
- 対象:
- 外国人健康男性1例
- 方法:
- ジメチルスルホキシドを0.5g/kg/日14日間反復経口投与した7)。
- 対象:
- 外国人健康男性1例
- 方法:
- 50% 35S-ジメチルスルホキシドを2.0g/body単回静脈内投与した8)。
- 6.
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用法及び用量
通常、成人には50%(w/w)ジメチルスルホキシド溶液を1回あたり1バイアル50mL(ジメチルスルホキシドとして27g)、2週間間隔で6回膀胱内に注入する。なお、膀胱内注入後、可能な限り15分間以上膀胱内に保持してから排出させる。
- 7.
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用法及び用量に関連する注意
本剤による再治療は、本剤の治療により症状が改善した後、一定期間経過して治療を要する程度にまで症状が悪化した場合にのみ行うこと。
- 1) 社内資料:健康成人を対象とした薬物動態の検討
- 2) Shimada H, et al. Low Urin Tract Symptoms. 2020 ;12: 150-154
- 3) 社内資料:非臨床試験の概括評価
- 4) Gerhards E, et al. Ann N Y Acad Sci. 1967; 141: 65-76
- 5) 社内資料:臨床薬理試験
- 6) Egorin MJ, et al. J Clin Oncol. 1998; 16: 610-615
- 7) Hucker HB, et al. J. Pharmacol. Exp. Ther. 1967; 155(2): 309-317
- 8) Kolb KH, et al. Ann. N Y Acad Sci. 1967; 141: 85-95
禁忌を含む注意事項等情報につきましては電子添文をご参照ください。