-臨床成績-
直腸部に炎症を有する活動期潰瘍性大腸炎に対する二重盲検比較試験(検証試験)1)、2)
目的 |
直腸部に炎症を有する活動期潰瘍性大腸炎患者に対するペンタサ坐剤の有効性をプラセボ坐剤と比較検討する。 |
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対象 |
15歳以上74歳以下で、UC-DAIスコア4~8(直腸部に炎症を有する軽症から中等症)の活動期潰瘍性大腸炎患者129例 |
方法 |
対象患者をペンタサ坐剤1g投与群、プラセボ坐剤投与群に無作為に割付け、1日1回1個を4週間直腸内投与した。 |
評価項目 |
有効性評価項目:
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解析計画 |
内視鏡的寛解導入率について病変範囲別でサブグループ解析を実施。 |
1. 主要評価項目:内視鏡的寛解導入率(優越性の検証)
投与4週後または中止時の直腸粘膜所見に基づく内視鏡的寛解導入率は、ペンタサ坐剤投与群81.5%、プラセボ坐剤投与群29.7%であり、ペンタサ坐剤投与群のプラセボ坐剤投与群に対する優越性が検証されました(p<0.0001、χ2検定)。

2. 副次評価項目:臨床的寛解導入率
投与4週後または中止時における臨床的寛解導入率は、ペンタサ坐剤投与群63.1%、プラセボ坐剤投与群17.2%であり、ペンタサ坐剤投与群は、プラセボ坐剤投与群に比べ有意に高い臨床的寛解導入率を示しました(p<0.0001、χ2検定)。

3. 副次評価項目:UC-DAIスコア変化量
投与4週後または中止時におけるUC-DAIスコアの変化量の最小二乗平均はペンタサ坐剤投与群−3.6、プラセボ坐剤投与群−0.9であり、UC-DAIスコア変化量の最小二乗平均の群間差は−2.6となり、ペンタサ坐剤で有意に低下しました(p<0.0001、共分散分析)。

4. 副次評価項目:UC-DAIサブスコアの変化量
投与4週後または中止時におけるUC-DAIサブスコアのうち、血便スコア、粘膜所見スコア及び医師の全般的評価スコアは、プラセボ坐剤投与群と比較してペンタサ坐剤投与群で有意に低値を示しました(p<0.0001、van Elteren検定)。排便回数スコアは、両群間で有意差を示しませんでした(van Elteren検定)。
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5. その他の評価項目:血便消失率(症状日誌からの評価)
症状日誌における評価日別の「血便の状況」は投与3日目以降28日目までのすべての評価日で有意差が認められました(すべてp<0.05、Fisherの直接確率法)。
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6. その他の評価項目:病変の拡がりによる内視鏡的寛解導入率(サブグループ解析)
投与4週時または中止時における病変範囲別(直腸炎型及び直腸炎型以外)の内視鏡的寛解導入率において、ペンタサ坐剤投与群はプラセボ坐剤投与群と比較して直腸炎型のみならず直腸炎型以外においても有意に高い寛解導入率を示しました(p<0.0001、Fisherの直接確率法)。

安全性
有害事象は、ペンタサ坐剤投与群では65例中10例(15.4%)10件、プラセボ坐剤投与群では64例中11例(17.2%)14件に発現しました。
副作用は、ペンタサ坐剤投与群では65例中1例(1.5%)1件、プラセボ坐剤投与群では64例中3例(4.7%)4件に発現しました。

- 4.
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効能又は効果
潰瘍性大腸炎(重症を除く)
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効能又は効果に関連する注意
直腸部の炎症性病変に対して使用すること。なお、本剤が腸内で到達する範囲は直腸部に限局されるため、S状結腸より口側の炎症には効果が期待できない。[16.8参照]
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1)
Watanabe M. et al:Aliment Pharmacol Ther 2013;38:264-273(承認時評価資料)
利益相反:本研究は杏林製薬株式会社の資金により行われた。 - 2) ペンタサ坐剤1gの国内第Ⅲ相検証的試験(社内資料:承認時評価資料)
禁忌を含む注意事項等情報につきましては電子添文をご参照ください。