ライブラリ -専門医の症例から学ぶ泌尿器科疾患 男性編-
紹介内容には、解説者の知識、経験、方針に基づく私見が含まれている場合があります。薬剤の使用にあたっては、各薬剤の最新の電子添文をご参照ください。
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陰嚢内腫瘤をきたす疾患
松戸市立総合医療センター 泌尿器科 北川 憲一 先生
精巣腫瘍は無痛性陰嚢内腫瘤を主訴とする場合が多いが、精巣痛を訴える例もある。今回症状が一時軽減していたり、画像検査で原発部位の判定が悩ましかった症例を経験したので供覧する。陰嚢内腫瘤では悪性腫瘍の診断に注意が必要であるが、診断が困難で手術を行い、病理診断を待たなければならない場合がある。
(2024.12掲載 監修:市川 智彦 先生)
尿閉をきたす疾患
兵庫県立尼崎総合医療センター 泌尿器科 藤本 卓也 先生
尿閉は膀胱内に貯留している尿を体外に排泄できない状態を指します。尿閉は急性尿閉と慢性尿閉とに区別され、いずれも治療介入を要します。尿閉の合併症として尿路感染症や腎機能障害、膀胱結石、尿失禁が挙げられます。
(2024.11掲載 監修:三宅 秀明 先生)
尿閉をきたす疾患
千葉市立青葉病院 泌尿器科 松本 精宏 先生
尿閉とは膀胱が尿で充満しているにもかかわらず、排尿がまったく(あるいはほとんど)できない状態を尿閉と言う。尿閉の原因は大きく下部尿路(膀胱、前立腺、尿道)閉塞と膀胱の機能不全に分けられるが、両方の因子が重なって発症する場合もある。
(2024.10掲載 監修:市川 智彦 先生)
無尿をきたす疾患
神戸大学医学部附属病院 泌尿器科 鈴木 光太郎 先生
一日尿量が400mL以下となることを「乏尿」、100mL以下となることを「無尿」といいます。乏尿または無尿は腎前性、腎性、腎後性に大別され、その原因によっては迅速な治療介入が必要となることもあります。また「尿がでない」と訴える患者さんにおいては「尿閉」との鑑別も重要です。
(2024.9掲載 監修:三宅 秀明 先生)
膿尿をきたす疾患
国保旭中央病院 泌尿器科 網谷 兆康 先生
膿尿をきたす疾患は尿路感染症が一般的と思われるが、抗生剤治療に抵抗する場合には排尿障害や尿路結石の合併、尿路悪性腫瘍の存在を鑑別として念頭に置くべきである。本症例は膀胱S状結腸瘻による難治性の尿路感染症であり、膿尿を認めたときから診断にいたるまでおよそ数ヵ月を要した。
(2024.8掲載 監修:市川 智彦 先生)
監修のコメント
本邦では高齢化が進む中、排尿障害、尿路性器悪性腫瘍、慢性腎疾患などの泌尿器科疾患の患者さんのさらなる増加が予想されます。また泌尿器科疾患は、性別により下部尿路や骨盤底の構造と機能が同一でないことから、それぞれ特徴的な病態・症候を呈することが少なくありません。
診療技能のスキルアップには、実際に数多くの症例を経験することが重要ですが、他の先生が経験された症例から学ぶことも多いと思われます。
本コンテンツでは、千葉大学関連病院の先生方にご協力いただき、泌尿器科での診療においてよく遭遇する(泌尿器科専門研修プログラムにも取り上げられている)各種症状・徴候を伴う男性症例を提示いただき、鑑別診断をおこなうためのポイントなどをご解説いただきます。診断する上でのポイントをよりイメージいただけるよう提示いただく症例については、鑑別画像・検査所見などを示し、必要な検査、間違いやすい疾患、治療なども含めた解説、最後に担当した先生の実践的なコメントを掲載いただいております。
本コンテンツの内容が若手の泌尿器科専門医ならびに泌尿器科非専門医の先生方の日常診療の参考となり、ひいては患者さんの利益につながれば幸いです。
泌尿器科学