フルティフォーム-デバイス特性-

フルティフォームの「デバイス」について


フルティフォーム補助具の「フルプッシュ」について


エアゾール製剤の噴霧速度と噴霧温度

噴霧速度(in vitro2)

目的

フルティフォーム®とフルチカゾン/サルメテロールの各pMDIが発生するエアロゾルの粒度分布とエアロゾル化率を測定するとともに、両デバイスから噴霧されるエアロゾル噴霧速度を粒子像流速計測法(PIV法)で測定し、各pMDIの性能を評価する。

方法

エアロゾル噴霧速度は、大気中に噴霧した薬剤エアロゾルの先端部がノズルの先端から80mmと100mm離れた位置に到達したときの速度を粒子像流速計測法(PIV法)で測定した。

評価項目

エアロゾルの粒度分布、エアロゾル化率、エアロゾル噴霧速度

ノズル先端からの距離

フルティフォーム®のエアロゾル噴霧速度は、ノズル先端から80mm及び100mmの位置でそれぞれ6.04±0.18m/秒及び5.14±0.14m/ 秒であった。


噴霧温度(in vitro3)

目的

フルティフォーム®とフルチカゾン/サルメテロールの各pMDIの噴霧力及び噴霧時の温度を比較する。

方法

噴霧力は銅ディスクが取り付けられた高感度のロードセルを用いて、噴霧時の温度はサーモグラフィを用いて測定した。

評価項目

噴霧持続時間、噴霧力、噴霧時の温度

フルティフォームの噴霧温度は、測定時温度22℃の条件下、ターゲットまでの距離75mmで19.87℃、ターゲットまでの距離95mmで20.80℃であった。


フルティフォーム®の粒子径

目的

フルティフォーム®の吸入流量の影響を、他の吸入ステロイド薬(ICS)/長時間作動型β2刺激薬(LABA)配合薬と比較して評価する。

方法

フルティフォーム®(ICS:125/LABA:5μg)、フルチカゾン/サルメテロール(250/50μg)、ブデソニド/ホルモテロール(200/6μg)を吸入流速28.3L/分、60.0L/分に相当する陰圧下で吸入した際の空気動態力学的径とその分布をアンダーセンカスケードインパクター(ACI)を用いて測定し、ICS及びLABA別の5μm未満の粒子の割合を算出した。

評価項目

有効な粒子径の粒子が含まれる割合

有効な粒子径の粒子が含まれる割合(in vitro4)

フルティフォーム®において、5μm未満の微粒子が含まれる割合は、吸気流速28.3L/分でICS 41.2%、LABA 39.1%、60.0L/分でICS 43.7%、LABA 42.1%であった。


〈参考〉吸入剤の粒子径と薬剤到達部位

  1. 吸入剤の粒子径と薬剤到達部位について規定したAerosol Consensus Statementでは気道への到達には2~5μm、末梢気道から肺胞には0.8~3μmの粒子径が適しているとしている。
  2. 粒子径が0.8μm未満の薬剤は呼気として排出されるため、治療効果が乏しいとされている。

フルティフォーム®の用法及び用量

成人

通常、成人には、フルティフォーム50エアゾール(フルチカゾンプロピオン酸エステルとして50μg及びホルモテロールフマル酸塩水和物として5μg )を1回2吸入、1日2回投与する。
なお、症状に応じてフルティフォーム125エアゾール(フルチカゾンプロピオン酸エステルとして125μg及びホルモテロールフマル酸塩水和物として5μg)を1回2~4吸入、1日2回投与する。

【参考】投与量早見表

小児

通常、小児には、フルティフォーム50エアゾール(フルチカゾンプロピオン酸エステルとして50μg及びホルモテロールフマル酸塩水和物として5μg)を1回2吸入、1日2回投与する。

【参考】投与量早見表


7. 用法及び用量に関連する注意
  1. 症状の緩解がみられた場合は、治療上必要最小限の用量を投与し、必要に応じ吸入ステロイド剤への切り替えも考慮すること。

注意事項等情報

  1. この薬は添加物として無水エタノールを使用しています。アルコールに過敏な方は医師・薬剤師に相談してください。
  2. 本剤は吸入薬で、飲み薬ではありません。
  3. 指示された使用量と回数を必ず守ってください。
  4. 症状が良くなったと思っても、自己判断で使用をやめないでください。
  5. 喘息の症状が抑えられない場合には、できるだけ早く医療機関を受診してください。
  6. 妊婦または妊娠している可能性がある人、授乳中の人は、医師に相談してください。
  7. 他の医療機関を受診した場合、あるいは薬局などで他の薬を購入する場合には、フルティフォーム®を使用していることを医師や薬剤師に必ず伝えてください。

保管上の注意

  1. 内側のアルミ缶を吸入器本体から外さないでください。
  2. 噴霧口のつまりを避けるため、少なくとも週1回以上吸入器の吸入口の外側と内側を乾いた布やティッシュペーパーでよく拭き、清潔に保管してください。
  3. アルミ缶は絶対に濡らさないでください(噴霧口がつまる原因となります)。
  4. 30℃をこえる場所に保管しないでください。
  5. アルミ缶は火中に投入しないでください。
  6. 使用後は、地方自治体で定められた処理方法に従って廃棄してください。


  1. 1)堀口高彦 他. アレルギー免疫. 2010; 17: 1086-93
  2. 2)田村弦. 呼吸. 2013; 32: 1075-80.一部改変(自社製品のみ掲載)
    利益相反:本研究は杏林製薬株式会社の支援により行われた
  3. 3)Johal B et al. Adv Ther. 2015; 32: 567-79.一部改変(自社製品のみ掲載)
    利益相反:本論文の著者のうち2名がMundipharmaの社員である
  4. 4)Johal B et al. Comb Prod Ther. 2013; 3: 39-51.一部改変(自社製品のみ掲載)
    利益相反:本論文の著者のうち2名はMundipharma、3名はSkyepharmaの社員である

禁忌を含む注意事項等情報につきましては電子添文をご参照ください。